『二十世紀ドイツ絵画史』表現主義から抽象へ、前衛芸術の全貌を辿る

歴史・社会
二十世紀ドイツ絵画史

二十世紀ドイツ絵画史

著者 パウル・フォークト(著/文)…他2名
出版社 法政大学出版局
発売日 2026年5月21日
ページ数 586ページ
判型 B5判
ISBN 9784588427039

二十世紀前半のドイツでは、表現主義から抽象絵画へとモダニズムの前衛が華やかに開花しました。しかしナチス時代の影響もあり、その全体像は十分に顧みられてきませんでした。本書は、フォルクヴァング美術館の館長を務めたパウル・フォークトが1972年に刊行した労作で、二つの大戦期における前衛芸術精神を多数の図版とともに丁寧に証言します。ユーゲントシュティール、〈ブリュッケ〉、カンディンスキーら特異な芸術家たちの画業を辿りながら、知られざるドイツ絵画史の全貌に迫る貴重な一冊です。

この本の注目ポイント

✔ 二つの大戦期を生きた前衛芸術の全体像

1900年頃の外光派絵画から表現主義、抽象絵画へと至るドイツ絵画の変遷を体系的に解説。ナチス時代の負の記憶により十分に回顧されてこなかった芸術家たちの画業と、激動の時代における前衛精神の軌跡を包括的に明らかにします。

✔ 〈ブリュッケ〉やカンディンスキーら重要作家に焦点

キルヒナー、ノルデ、ヘッケルら〈ブリュッケ〉の画家たち、カンディンスキー、そしてユーゲントシュティールの芸術家たちなど、ドイツ近代美術を代表する作家たちの活動を詳細に追跡。各芸術家の創作過程と様式の発展を丁寧に辿ります。

✔ 多数の図版で証言する美術館館長の労作

著者はドイツ有数のフォルクヴァング美術館の館長を務めた美術史家。1972年刊行のこの労作では、色図版・白黒図版を豊富に用いて、言葉だけでは伝えきれない前衛芸術の視覚的魅力と時代精神を鮮やかに伝えます。

目次

色図版

白黒図版

第一章 一九〇〇年頃のドイツ絵画

状 況
写実主義と印象主義の間の外光派絵画
芸術家たち
新印象主義
ユーゲントシュティール
ミュンヘンにおけるユーゲントシュティール/芸術家協会〈ショレ〉/芸術家協会ノイ‐ダッハウ/ベルリンにおけるユーゲントシュティール
芸術家コロニー・ヴォルプスヴェーデ

第二章 若人たちの出発

表現主義の世界
北ドイツの画家たち
クリスティアン・ロールフス/エーミール・ノルデ/パウラ・モーダーゾーン=ベッカー
〈ブリュッケ〉のドレースデンの歳月 初期 一九〇五─一九〇七年
成熟した〈ブリュッケ〉様式への発展 一九〇七─一九一一年
芸術家たち
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー/エーリヒ・ヘッケル/カール・シュミット=ロットルフ/マックス・ペヒシュタイン
ドイツのマティス派
〈新芸術家協会〉ミュンヘン 一九〇九年
ヴァシリー・カンディンスキー/アレクセイ・ヤウレンスキー/ガブリエーレ・ミュンター
アードルフ・ヘルツェルとそのサークル

第三章 世界大戦の十年

ベルリンにおける 〈ブリュッケ〉一九一一─一九一三年
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー/エーリヒ・ヘッケル/カール・シュミット=ロットルフ/マックス・ペヒシュタイン/オットー・ミュラー
ライン派とヴェストファーレン派
『シュトゥルム』誌
〈デア・ブラウエ・ライター〉一九一一年
ヴァシリー・カンディンスキー/フランツ・マルク/アウグスト・マッケ/パウル・クレー/アレクセイ・ヤウレンスキー
独立独歩者たち
エーミール・ノルデ/クリスティアン・ロールフス/オスカー・ココシュカ/ルートヴィヒ・マイトナー/カール・ホーファー/リオネル・ファイニンガー/マックス・ベックマン/ルードルフ・バウアー/ゲオルク・タッペルト
ダ ダ
ラウール・ハウスマン/ハンナ・ヘーヒ/ハンス・リヒ

こんな人におすすめ

  • ドイツ表現主義や抽象絵画に興味がある美術愛好家
  • 二十世紀前半のヨーロッパ美術史を学ぶ学生・研究者
  • モダニズム芸術の系譜を体系的に理解したい方
  • 〈ブリュッケ〉やカンディンスキーなど個別作家への理解を深めたい方

著者について

パウル・フォークトは、ドイツ・エッセンにあるフォルクヴァング美術館の館長を務めた美術史家。同館は表現主義をはじめとする近現代美術のコレクションで知られています。本書は著者が1972年に刊行した代表作で、二十世紀ドイツ絵画の全体像を体系的に論じた貴重な研究成果として評価されています。

まとめ

ナチス時代の影に隠れ十分に顧みられてこなかった二十世紀ドイツ絵画史を、美術館館長が豊富な図版とともに包括的に解き明かす本格的美術史研究書です。

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