『箱の中の羊』是枝裕和監督最新作シナリオブック――喪失と再生を描く珠玉の一冊

文芸

3秒で分かる要約

★★★★★
おすすめ度
スコア: 4.7/5.0
難易度: やや重い

こんな人向け:

  • 家族とは何かを問い直したい人
  • 是枝裕和監督のファン
  • SF要素を含む深い思考作品が好きな人
  • 感情的な余韻を大切にする人
読む目安:2.5時間

本書の読みどころ

是枝裕和監督の最新映画『箱の中の羊』のシナリオブック。亡き息子と同じ姿のヒューマノイドを迎え入れた夫婦の物語です。8年ぶりのオリジナル脚本と設定資料、画コンテも収録された必読の一冊。

結論:この本はこんな人に刺さる

是枝裕和の感性が光る本作は、喪失と向き合い、新たな形の家族と未来を描いた作品です。特に親子関係の複雑さと愛情の在り方に関する描写が秀逸で、読むたびに心が揺さぶられます。映画化作品にありがちなノベライズではなく、シナリオブックだからこそ感じられるリアリティと詩情があり、映画鑑賞前後の両方で楽しめる深い内容です。

どんな本?

世界的に高い評価を受けてきた是枝裕和監督が、監督・脚本・編集を手がけた最新映画『箱の中の羊』(2026年5月29日公開)の公式シナリオブックです。日本映画では『万引き家族』以来8年ぶりとなるオリジナル脚本を完全収録。巻頭カラー16ページの場面写真、この本でしか読めない設定資料、そして是枝監督の画コンテも特別収録されています。シナリオから映画まで、創作の全過程が一冊に凝縮されています。

あらすじ

少し先の未来。息子を亡くした夫婦・甲本音々と健介のもとに、ある日、亡き息子・翔と同じ姿、同じ声を持つヒューマノイドが届けられます。最初は戸惑いながらも、夫婦はこの存在を家族として受け入れていきます。それとともに、止まっていた家族の時間はふたたびゆっくりと動き始めるのです。しかし、それは単なる失った日々の取り戻しではありません。思い出と現実の間で揺らぎながら、親子とは何か、愛とは何か、家族とは何かという根本的な問い直しが始まります。是枝監督が描く、新たな時代の「家族」の物語がここに立ち現れます。

この本の魅力

魅力① 世界的巨匠が紡ぐ、深い人間ドラマ

カンヌ国際映画祭で何度も受賞してきた是枝裕和監督だからこそ描ける、人間関係の複雑さと温かみが詰まっています。ヒューマノイドという近未来的設定を通じて、親子関係、喪失、愛情といった普遍的なテーマに迫ります。シナリオを読むことで、映像では伝わりきらない心理描写やセリフの機微が理解でき、人間ドラマとしての深さが一層引き立ちます。

魅力② シナリオブックだからこそ味わえる創作の秘密

単なる脚本ではなく、設定資料や画コンテも収録されているため、映画制作の全過程が透視できます。導演の意図、視覚的な構成、キャラクターの背景設定などが一冊に集約されており、映画鑑賞をより豊かにしてくれます。また、映画だけでは気づきにくい細部の工夫や隠された意味を発見する喜びも得られます。

魅力③ 近未来設定がもたらす新しい視点

ヒューマノイド技術という近未来設定を用いることで、現代では答えが出ない問いに正面から向き合います。もし亡き人の姿をした存在が現れたら――その時に家族は何を感じ、どう向き合うのか。SFではなく、きわめてヒューマンなアプローチで、読者の心を揺さぶる根本的な問題提起をしています。

読んだ人の感想

是枝作品特有の静謐さと深さが詰まった一冊です。読み進むにつれて、親としての苦しみ、子を失った悲しみ、再会への期待と現実のズレなど、複雑な感情が渦巻き、気づいた時には涙ぐんでいました。映画公開までの待ち時間を、この本で心ゆくまで味わえます。

こんな人におすすめ

  • 是枝裕和作品のファン、世界映画の最新トレンドに関心のある方
  • 人間関係の深さや家族の意味について考えたい方
  • 映画シナリオの構成や表現技法を学びたい映画人志望者
  • 近未来SFと人間ドラマの融合に興味のある方

著者について

是枝裕和

箱の中の羊

箱の中の羊

著者是枝裕和
出版社KADOKAWA
価格1,950円+税
ページ数248ページ
判型四六判
ISBN9784048119689
📖 KADOKAWA

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