「この星降る天国で」板倉アユミ――死と向き合う優しい物語の見どころ

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3秒で分かる要約

★★★★☆
おすすめ度
スコア: 4.3/5.0
難易度: 読みやすい

こんな人向け:

  • 別れや喪失を経験している人
  • ペットを飼っている人
  • 温かく前向きなメッセージを求める人
  • 感動的なコミックスを好む人
読む目安:2.5時間

本書の読みどころ

ニワトリのコッコが天国で出会う物語。「死」という重いテーマを、温かく柔らかに描く作品です。

失別の悲しみと共に生きた時間の尊さを感じたい方に。

結論:この本はこんな人に刺さる

ペットロスや大切な存在の喪失を経験した読者、また子どもに「別れ」について考えるきっかけをつくりたい親世代に適しています。SNSで反響を呼んだ作品の描き下ろしエピソード100ページ近くを収録した新装版であり、自分へのプレゼントにも贈り物にも最適な一冊です。

どんな本?

ニワトリのコッコが飼い主と幸せに暮らしていたある日、目を覚ますと天国にいました。自分に何が起きたのか分からないまま、天国の住人たちとの出会いを通じて、本当の別れを受け入れる旅に出ます。

柔らかな絵柄と優しい色使い、ユーモラスなキャラクターたちが、重いテーマを決して暗さだけに閉じ込めず、共に生きた時間の大切さを丁寧に描き出していく作品です。

新刊Hubがこの本を紹介する理由

ペットロスや喪失感は現代の多くの読者が向き合うテーマですが、本作はそれを絵本的なアプローチで優しく扱う点が注目です。ダイヤモンド社からの刊行で、SNS等での反響を確認した上で、描き下ろしエピソード100ページ近くを新たに加えた版です。

ファンタジー作品でありながら「別れ」という普遍的な感情に正面から向き合う稀有な作品として、世代を超えた読者層に届く可能性が高いと判断しました。

あらすじ

飼い主と一緒に幸せに暮らしていたニワトリ・コッコ。ある朝、目を覚ますと、そこは見たことのない天国でした。

自分に何が起きたのかもわからないコッコは、天国の案内人や出会う住人たちとの交わりの中で、少しずつ「何か大切なもの」を失ったことに気づきます。

記憶が戻らないまま天国での日々を過ごすコッコが、10の章を通じて見つめるのは、失うことの悲しみだけではなく、かけがえのない飼い主との時間がどれほど尊いものだったのか、ということ。

柔らかく温かい世界観の中で、別れと向き合う少女(とニワトリ)の物語が始まります。

この本の魅力

魅力① 重いテーマを「優しさ」で包んだ表現方法

死や別れという重いテーマを扱いながら、決して暗さに閉じ込めず、柔らかな絵柄・色使い、ユーモラスなキャラクターたちで構成しています。結果として、読み手は悲しみの中に希望や温かさを感じながら物語に向き合うことができます。

大人だけでなく、子どもにも「別れとは何か」を優しく教える教材としても機能する貴重な作品です。

魅力② SNS発で話題の物語に新たに100ページ近い描き下ろしエピソード追加

本作はすでにSNS等で大きな反響を呼んでいた作品。今回の刊行では、その反響を踏まえた上で、約100ページもの新規エピソードが描き下ろされています。

すでに知っている読者にも新しい発見があり、初めての読者にはより充実した物語体験をもたらします。既存ファンの期待と初読者の満足度を両立させた、メディアミックス時代の書籍展開の好例です。

魅力③ ペットから人間関係へ――幅広い喪失体験に共感できる設計

主人公がニワトリというユニークな設定は、ペットロスの語り手としてだけでなく、あらゆる「別れ」を象徴する存在です。読み手は自分の経験に重ね合わせることができます。

友人との離別、親の介護、世代交代など、人生で避けられない喪失感を、小さなニワトリの視点から見つめ直すことで、新たな視角が得られます。

公開情報から想定できる読書体験

本作の世界観は、暖色系で優しく描かれた「死後の世界」を舞台にしながらも、決して癒し系に終わらない構成が特徴です。コッコが天国で過ごす日々の積み重ねが、やがて一つの答えへ導く流れは、児童文学的でありながら大人の胸にも深く届く設計になっています。

こんな人におすすめ

  • ペットとの別れを経験した、または現在向き合っている方
  • 子どもに「死」や「別れ」について考える機会をつくりたい親世代
  • 感動的だけれど重くなりすぎない物語を探している方
  • ファンタジーを通じて人生について考えたい大人読者

読む前に知っておきたいポイント

本作は感動的な物語ですが「涙が止まらない系」というより「静かに胸に染みる系」の作品と考えるとよいでしょう。死や別れについて前向きに考えるきっかけが欲しい方、またはそういった思いを整理したい時期の方に特に向いています。

一方、深刻で重厚なドラマを期待する方には、思ったより優しくほんわりした雰囲気かもしれません。また、動物キャラクターや寓話的な物語が苦手な方も、内容的には重いため注意が必要です。

目次

第1話 ようこそ天国へ
第2話 約束
第3話 名前
第4話 穴あき雲
第5話 思い出をもう一度
第6話 郵雲局
第7話 しあわせの家
第8話 この星降る天国で
第9話 何もない一日
第10話 どうかもう一度あなたに
あとがき

著者について

板倉 アユミ

この星降る天国で

この星降る天国で

著者板倉 アユミ
出版社ダイヤモンド社
発売日2026年8月6日
価格1,500円+税
ページ数232ページ
ISBN9784478122594

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